マンションの経営をしようという人の中には、節税が目的という人もいます。それが良いことなのかどうかというのは、それぞれのケースによって異なっていると言っても良いでしょう。というのも、大して節税にならないこともあるからです。そもそも節税ができる理由というのは、減価償却によるところが大きいです。
減価償却とは、マンションの購入代金を、あとから経費化していくことを指します。キャッシュは最初に支払っていますから、その後はキャッシュの流出がなく経費を計上できます。そのために、帳簿上の利益を圧縮して税金を安く出来、その上で現金は手元に残るというのが減価償却による節税の仕組みです。ここだけを見れば優れたことなのですが、キャッシュについては先に支払っているという点に注意が必要です。
ですから、キャッシュの流出を伴わないわけではありません。もう一つ注意しておかなければならないのは、節税ができるということは赤字であるということです。マンションの経営が赤字になっていれば、ほかの所得から控除して節税が出来ます。しかし、赤字がいつまでも続くようでは、マンションの経営自体が失敗していると言っても言い過ぎではないでしょう。
いずれは黒字化して、きちんと税金を納めることが出来なければ、そもそも資産の形成は出来ないわけですから、節税のみを目的としてマンションを持つのは、あまり良いことではないと考えておいたほうが良いでしょう。